

能勢町アジア野菜研究会とは?
能勢町の山林に囲まれた30a小さな畑でアジア野菜を中心に、年間におよそ50品目150品種の品目を栽培しています。
畑は、妻の祖父が存命の時に酒米をつくっていた棚田を畑地として活用しています。長年耕作放棄地となっていたため、少しずつ修繕して使えるようにしています。
ロゴは、タイ語の「ผัก」と、中国語「蔬」をミックスしました。どちらも「野菜」を表す言葉です。
能勢町の気候・環境

大阪の最北端にある能勢町は、一般的な大阪の印象とはかなり異なった気候の農村です。
年間を通じて大阪市内よりも気温が4〜5度低く、古来より避暑地として活用されてきたようです。一方で、冬のあいだは氷点下8度まで下がります。雪は1年に3〜5度ほど薄く積もる程度ですが、冷え込みはきつく、年明け以降には水道も路面も植物すら凍結する日があります。家の中も0度近くまで下がり、観葉植物を維持するにもひと苦労です。
山林に囲まれているため、道路からもキツネやリス、ウサギ、キジなどの様々な動物を見ることができます。可愛らしい動物だけならまだしも、畑を荒らすシカやイノシシ、アライグマ、ハクビシン、ヌートリアなども多く、対策はしているもののたびたび畑を全滅させられたり、かなり困っています。
まあそれはさておき、それだけ自然いっぱいの町だということです。
冷涼な気候がアジア野菜にもたらすもの

そんな冷涼な気候の能勢でもアジア野菜はしっかり育ちます。
初冬に収穫する北京紅芯大根などの根菜類、ターサイ、ちぢみホウレンソウ、パッカナーなどは、厳しい寒さに当たれば当たるほど、甘味がいっそう強まります。
また、高温になると花が咲いたり、へたり込んでしまうパクチーなどは、能勢のやや涼しい夏の気候のほうが安定生産ができるのではないかと思います。
もちろん、レモングラスやパクチーファランなど、この地域では越冬できない野菜もあり、その点は暖地よりも不利ではありますが、ないものねだりをせず、この土地の恵を最大限に活かしたような栽培方法を日々思案しています。
アジア野菜の種子

ほとんどは実際に海外に赴いたり、あるいは友人に頼んだりして、正規の手続きを踏んで輸入したものを使っています。そのため、日本ではほぼ流通していない、これからもしなさそうな野菜もつくることができます。
2020年からはネットショップ「アロイ種苗店」を開き、我が家の余剰分の種子や苗の販売を始めました。また、コロナで揺れる世界情勢を踏まえて、自家採取にも取り組みだしました。
後々は、自分で育種などもして、アジア野菜を真の意味で日本に定着させたいと考えています。
2021年からはオーダーメイド栽培も始めたいと思っています。これは、買い取る約束(一定量)と種子さえいただければ、その品目をベストを尽くして栽培し、野菜を届ける、という試みです(失敗することもあります)。
タイ、ベトナム、中国、韓国、ミャンマーなど、様々な野菜を、ぜひむちゃぶりしていただければと思います。

日本で働くアジア人を楽しませたい
能勢町アジア野菜研究会の根本は、とにかく「日本で働くアジア人を楽しませたい」ということです。
この取り組みを始めたばっかりの頃に、日本で暮らすアジア人が「空芯菜がどこにもない。あってもデパ地下にしかない」と嘆いていたことが心に残っています。自分に置き換えて想像してみても、外国で働いていて、母国の野菜が買えない、食べられないという状況はとても辛く、孤独に感じるはずです。
逆に、そういう野菜がどっさり食べられる状況であれば、いくらか孤独感はマシになるはず。そんなことを考えていて、日本で働くアジア人が買いやすい値段でアジア野菜が買えるような状況をつくるのを最大目的としています。

アジア系飲食店を応援したい
現状、アジア野菜は7割程度を飲食店に届けています。どこも少しくらい高くても、新鮮なアジア野菜を使いたいという気骨のあるお店ばかりです。ただ野菜を取引するだけではなく、お店が盛り上がるように支援する作戦を考えていきたいとも思っていますし、野菜を使った加工品を共同開発なんてこともしたいと思っています。